掲載業者

1,422業者

相談件数

53,587件以上
※2026年5月時点
PR
最終更新日: 2026.6.16
TOTOバスクリエイト佐倉工場外観
PR
最終更新日: 2026.06.16

浴室の”きれい”はどう作られる?TOTOバスクリエイト佐倉工場を取材。浴室「シンラ」体験と新機能「浴室クリアキープ」

TOTOバスクリエイト佐倉工場外観

毎日使う浴室ですが、「カビが気になる」「掃除が大変」と感じることはないでしょうか。湿気の多い浴室では、床だけでなく天井や壁にも汚れが広がりやすく、きれいな状態を保つのが難しい空間でもあります。

こうした浴室の悩みを解決するため、さまざまな技術開発を進めているのが住宅設備メーカーのTOTOです。今回は千葉県にあるTOTOバスクリエイト佐倉工場を訪れ、システムバスルームの製造現場や、最上位タイプの浴室「シンラ」、新機能「浴室クリアキープ(きれい除菌水)」について取材しました。


◆本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
目次 

TOTOバスクリエイト佐倉工場でシステムバスルームができるまでを見学

千葉県佐倉市にあるTOTOバスクリエイト佐倉工場では、システムバスルームを構成するさまざまな部材が製造されています。工場にはおよそ500人が働き、浴槽や床、壁パネルなどの製造から出荷までが行われています。

実際に工場見学をしてみると、その規模の大きさにまず驚かされました。見学コースはかなり広く、工場内を移動するだけでも往復で約1km。製造ラインや倉庫を順に見ていくことで、普段は意識することのない「浴室ができるまで」の工程を間近に見ることができます。

普段家庭で当たり前のように使っている浴室も、実際には多くの工程や技術の積み重ねによって作られていることを実感する見学でした。

巨大な立体倉庫に保管される浴室パネル

工場見学の最初に目にしたのは、浴室の壁パネルを保管する自動立体倉庫です。

この倉庫には10,000棚以上の保管スペースがあり、奥行きは50m以上。実際に説明を聞くと、ここに保管されている壁パネルを床に並べたら東京ドームのグラウンドを埋めるほどの量になるとのことでした。

システムバスルームの壁は、色や柄のバリエーションが非常に豊富です。現在はおよそ200種類の壁柄があり、住宅や好みに合わせてさまざまなデザインを選ぶことができます。こうした多様な注文に対応するため、工場では壁パネルを大量に在庫し、必要なものをすぐ出荷できるようにしているそうです。

巨大な設備の内部でパネルが自動的に搬送されていく様子からは、効率的な生産と出荷を支える仕組みが整えられていることが伺えました。

タイルから鋼板へ進化した浴室の壁

現在の浴室の壁は鋼板パネルが主流ですが、もともとはタイル壁からスタートしました。浴室の壁は大きく次のように進化してきたといいます。

タイル壁 → 大判タイル → 鋼板パネル

タイルは高級感がある一方で、重量があり割れやすいという課題がありました。しかし、鋼板にすることで軽量化でき、施工性も向上。さらにネジがなくなり、掃除のしやすさにもつながっています。

工場ではこうした壁パネルの加工も行われています。マンションやホテルなど設備の位置があらかじめ決まっている場合、パネルに必要な穴を工場で加工しておくことで、現場での施工をスムーズにできるからです。

加工はNC加工機を用い、XY座標データを読み込みながら穴を開けていきます。完全に自動化されているわけではなく、一部の工程は作業員が手作業で行っていました。このように機械と人の技術が組み合わさって製造が行われており、現地でも同じ品質がお届けできるという仕組みになっています。

壁パネルの成形にはロールフォーミング技術が使われている

浴室の鋼板パネルは、角丸加工やコーナーカット、左右のカール加工、上下の絞りベンディングなど、複数の成形加工によって作られています。

一般的な浴室の壁では、パネル同士のジョイント部分に目地材を入れて防水することが多いですが、TOTOの壁パネルは目地材を使わず、パネルの形状だけで水が入り込まない構造になっています。この形状を作るのが「ロールフォーミング」と呼ばれる加工技術です。

ロールフォーミングでは、ローラーを使い鋼板を少しずつ折り曲げながら成形します。一度に曲げると歪みや破損の原因になるため、複数のローラーで徐々に角度をつけていくことで、高い精度の形状を作っています。

2,000トンプレスで成形される浴槽と床

浴槽や床の成形工程では、巨大なプレス機が使われます。材料を金型に入れ、高温・高圧でプレスすることで浴槽本体や床の形状が作られます。

浴槽の成形ではおよそ130〜150℃の温度で約10分間プレスされ、圧力は2,000〜2,500トンにもなるといいます。数字だけでは想像しにくいですが、例えるなら「1立方センチメートルに150kgほどのお相撲さんが立つほどの圧力」とのこと。

さらに驚いたのは、1970年代に導入されたプレス機も現在まで現役で使われていることです。長年のメンテナンスと技術の蓄積によって、今も安定した生産が続けられているそうです。

ほっカラリ床の製造と構造

TOTOの浴室を代表する機能のひとつが「ほっカラリ床」です。ほっカラリ床はこれまで改良を重ねながら進化してきました。

第1世代
高級シリーズ「スプリノ」に搭載(2003年〜)
第2世代
一般シリーズにも展開(2010年〜)
第3世代
架台+ウレタン+表皮の3層構造へ進化(2012年〜)

現在の第3世代では、単なる樹脂パネルではなく複数の層で構成されています。床の内部には断熱クッション層があり、その上に表皮層が重なる構造になっています。こうした構造によって、踏んだときの柔らかさと断熱性を両立しているのが特徴です。

床表面には親水性の特殊処理も施されており、皮脂汚れと床の間に水が入り込みやすくすることで、汚れを落としやすくする仕組みになっています。さらに床の溝パターンによって水が排水口へ流れやすくなっており、翌朝には乾きやすい構造になっているそうです。こうした細かな工夫の積み重ねが、日々の使いやすさにつながっています。

工場では製造時の温度管理も徹底されており、素材や接着工程の品質が安定するよう、一定の環境を保ちながら生産が行われています。

約200〜250点の部品で構成されるシステムバスルーム

システムバスルームは、完成品のように見えて実際には多くの部品で構成されています。

1つの浴室を組み立てるために必要な部品は、およそ200〜250点。金属製の金具や樹脂パーツなど、さまざまな部材が使われています。

工場ではこれらの部品をセットごとにまとめる「ピッキング作業」が行われています。作業員はハンディターミナルを使いながら部品を確認し、台車に集めていきます。

もし現場で「部材が足りない」ということが起きても、作業工程はドライブレコーダーで記録されているため、どこに梱包したかを確認できる仕組みになっているそうです。こうした管理体制によって、出荷ミスを防いでいるのだといいます。

現地組み立てを前提とした出荷システム

システムバスルームは、工場で完全に組み立てた状態で出荷されるわけではありません。浴槽や壁パネルなどの部材として出荷され、施工現場で組み立てられます。

そのため輸送中に部材が傷つかないよう、梱包にもさまざまな工夫が施されています。例えばパネル同士が直接触れないように、短冊状の緩衝材を挟むなどの工夫がされています。こうして丁寧に梱包された部材はトラックで運ばれ、現地で施工されて初めて一つの浴室が完成します。

工場から施工現場まで一貫して品質を保つ仕組みが整えられていることが、実際に見学してみるとよく分かりました。

最上位タイプのモデル「シンラ」を実際に体験

工場見学だけでなく、TOTOの最上位タイプのシステムバスルーム「シンラ」を特別に体験させていただきました。

シンラは、入浴時間そのものをより快適なものにすることを目指したモデルです。浴室に入ってまず感じたのは、設備だけでなく空間全体が「リラックスするために設計されている」という印象でした。浴槽の形状や水流、照明など、細かな部分まで入浴時の心地よさが考えられています。

実際に体験した中でも、特に印象に残った機能を紹介します。

肩から温める「楽湯」でリラックス

シンラの代表的な機能が「楽湯」です。浴槽の背面からお湯が流れ出し、肩まわりを温める仕組みになっています。さらに背中部分にはジェット水流もあり、体をほぐすような感覚があります。

実際に入ってみると、水流は想像していたよりもしっかりしていて、肩や背中を包み込むような感覚でした。ジェットの水流はやや強めで、マッサージのように体をほぐしてくれる印象です。肩から温められることで血行もよくなりそうで、長時間入らなくても体が温まりやすいと感じました。

浴槽のヘッドレスト部分も、硬すぎないクッション性のある素材になっており、頭を預けたときに自然とリラックスできるようになっています。

体を包み込む温かさのウォームピラー

今回の体験の中で、ぜひ体験してみてほしいと感じたのが「ウォームピラー」です。特にオーバーヘッドシャワーのウォームピラーは、天井から柱状にお湯が落ちてくる仕組みになっています。通常のシャワーのように水流が当たるというよりも、お湯が体を包み込むように流れてくる感覚があります。

実際に体験してみると、お湯が体にまとわりつくような感覚で、短時間でも体がしっかり温まる印象でした。ずっと浴びていたくなるような心地よさがあり、忙しい日でも、さっと温まりたいときにはかなり便利な機能だと感じました。

個人的には、今回体験した機能の中でも特に印象に残った機能でした。

柔らかく冷たくなりにくい「お掃除ラクラクほっカラリ床」

シンラの浴室には、TOTOの代表的な床機能である「お掃除ラクラクほっカラリ床」が採用されています。実際に裸足で立ってみると、床はほんのり柔らかく感じます。一般的な浴室の床よりも足裏への当たりがやさしく、立っているだけでも心地よい感触でした。

水を流したあとには、床に吸着するような感覚もあり、足裏とのフィット感が高いのも特徴です。さらに断熱構造になっているため、シャワーを止めたあとでも足元が冷えにくいと感じました。

冬場などはシャワーを止めると足先から冷えてしまうことがありますが、こうした構造によってその不快感を軽減できそうです。

調光機能でよりリラックスできる浴室空間

もうひとつ印象的だったのが、浴室の照明です。シンラでは照明の明るさを調整することができ、入浴シーンに合わせて雰囲気を変えることができます。実際に照明を少し落とすと、浴室全体が落ち着いた空間になり、よりリラックスしやすくなりました。

照明には「1/f(エフぶんのいち)ゆらぎ」と呼ばれる、人が心地よいと感じやすいリズムのゆらぎが取り入れられているモードもあります。

お風呂というと設備の機能ばかりに注目しがちですが、こうした空間づくりも入浴の満足度に大きく関わるのだと感じました。個人的には、1/fゆらぎの光がやわらかく揺れる「瞑想ゆらぎモード」がお気に入りです。

シンラに搭載されている主な機能

体験した機能のほかにも、シンラにはさまざまな快適機能が搭載されています。

そのひとつが「魔法びん浴槽」です。浴槽の断熱構造と専用の断熱ふたを組み合わせることで、お湯の温度低下を抑える仕組みになっています。説明によると、ふたを閉めた状態で約4時間たっても温度低下は約2.5℃程度とのことでした。

また「お掃除ラクラク鏡」という機能もあります。これは鏡表面に特殊なコーティングを施すことで、水垢が付きにくくなる仕組みです。実演では従来の鏡と比較して、洗剤をかけると汚れが落ちやすい様子が確認できました。

こうした機能は、入浴の快適さだけでなく、日々の掃除のしやすさにもつながっています。

浴室クリアキープ(きれい除菌水)とは?TOTOが目指す「きれいが続く浴室」

今回の取材では、新機能「浴室クリアキープ(きれい除菌水)」の話を聞くことができました。

まず紹介されたのが、浴室の汚れの原因です。調査によると、浴室に対する不満として最も多いのが「カビ汚れ」だといいます。床や排水口だけでなく、壁や天井など掃除しにくい場所の汚れに悩む人が多いそうです。

実は浴室の汚れは、単に床から発生するものではありません。体を洗うと皮脂や角質などの汚れが落ち、それが湯気と一緒に空気中に舞い上がります。やがてそれが天井や壁の上部に付着し、結露とともに広がることでカビの原因になるといいます。

つまり浴室の汚れは、気づかないうちに浴室全体に広がっているというわけです。

水から作る除菌水「きれい除菌水」

こうした汚れ対策としてTOTOが開発したのが「きれい除菌水」です。

きれい除菌水は、水道水に含まれる塩化物イオンを電気分解することで生成される除菌水です。次亜塩素酸を含む水で、除菌や分解、漂白といった作用があります。特徴的なのは、洗剤や薬品を使っているわけではないという点です。時間が経つと元の水に戻るため、環境にも配慮された技術だといいます。

この技術は2011年にウォシュレットのノズル洗浄から採用され、現在ではトイレやキッチンなどさまざまな製品に展開されています。

床ワイパー洗浄(きれい除菌水)から進化した「浴室クリアキープ(きれい除菌水)」

浴室では2018年に「床ワイパー洗浄(きれい除菌水)」が登場しました。

入浴後にボタンを押すと、カウンター下からノズルが出て板状の水流が床を洗い流す仕組みです。その後、きれい除菌水を噴霧することでカビやピンク汚れの発生を抑えます。

今回登場した「浴室クリアキープ(きれい除菌水)」は、この機能をさらに進化させたものです。従来は床のみが対象でしたが、浴室クリアキープ(きれい除菌水)では浴室全体にきれい除菌水を行き渡らせることができます。

この仕組みは、既存の床ワイパー洗浄(きれい除菌水)の機構をベースにしながら新しい部品を追加して開発されています。ノズルは横幅を狭くし、やや上向きに噴射する設計にすることで、水流が床全体に行き渡るよう工夫されています。

また、浴室全体に除菌成分が広がるかどうかを確認するため、感水試験紙を使った検証も行われています。浴室内のさまざまな場所に試験紙を設置して実験したところ、きれい除菌水の成分が空間全体に広がっていることが確認されたそうです。

開発にあたっては、どのような条件でも効果が発揮されるよう、さまざまな環境を想定した検証が行われました。その結果をもとに、「きれい」と判断できる基準も数値として設定されているといいます。

掃除しにくい場所のカビやピンク汚れを抑制

浴室クリアキープ(きれい除菌水)では、床洗浄のあとに浴室内を温め、きれい除菌水を噴霧することで浴室全体に成分を広げます。気化した除菌水が空間全体に拡散することで、天井や壁など手が届きにくい場所にも効果を発揮します。

対象となるのは、天井・壁・浴槽の縁・床などです。一方で、浴槽の内部はカビではなく皮脂汚れが主な原因となるため、この機能の対象には含まれていません。なお、浴槽洗浄システムの「おそうじ浴槽」では浴槽内部が洗浄対象となっており、ボタン一つで浴槽内を自動洗浄できます。

実験映像も紹介され、掃除を行わない条件でもカビやピンク汚れの発生が抑えられる様子が確認できました。

TOTOが目指す「掃除の負担を減らす浴室」

今回の取材では、TOTOバスクリエイト佐倉工場の製造現場から、最上位タイプの浴室「シンラ」の体験、新機能「浴室クリアキープ(きれい除菌水)」の開発背景までを見ることができました。工場見学を通して感じたのは、浴室という身近な設備の裏側には多くの技術や工夫が詰まっているということです。

また、シンラの体験や新技術の説明を通して、TOTOが目指しているのは単に機能を増やすことではなく、日々の掃除の負担を減らし、浴室を快適に使い続けられるようにすることなのだと感じました。

普段何気なく使っているお風呂ですが、その快適さや清潔さは、こうした技術によって支えられているのかもしれません。