TOTOミュージアムってどんなところ?
この項では、TOTOミュージアムがどのようにして生まれたのか、そしてどんな展示があるのかを簡単にご紹介します。まずは、TOTOミュージアムがどんな場所かを知っておきましょう。
創立100周年の節目に誕生したミュージアム
TOTOミュージアムは、TOTO創立100周年という節目の記念事業として誕生しました。今では当たり前の「水洗トイレ」に必要不可欠な下水道すら整備されていなかった時代から続くTOTOの精神を、次の世代へ正しく伝えるために建てられました。ここでは、TOTOのものづくりへの想いや、日本の水まわり文化の歴史を知ることができます。
2015年にオープンしたTOTOミュージアムはその前身として、かつて「TOTO歴史資料館」という名で1,000点以上の資料が展示されていました。歴史的にも貴重なその展示物を引き継ぎ、映像や音声による解説も交えて、TOTOの歴史やものづくりへのこだわり、日本の衛生陶器の歴史をわかりやすく、かつ正しく伝わる工夫が随所に凝らされている貴重な施設となっています。
日本の産業とともに歩んだTOTOの歴史と技術をたどる
館内には3つの展示室があり、日本で初めて作られた便器や、TOTOのルーツである森村組の歴史、認定遺産などが紹介されています。TOTOという企業の歴史や技術をたどりながら、日本の産業や暮らしがどのように変化してきたのかを知ることができます。ここで紹介されている展示も、写真や言葉だけでは伝わりにくい“質感”や“スケール感”がたくさん。ぜひ現地でその空気感ごと体験してみてください。
特別展示で“今だけ”の発見も
常設展示のほかに、期間限定の特別展示室も用意されています。TOTOが運営する建築デザインギャラリーである「TOTOギャラリー・間」などの巡回展なども行われており、訪れるタイミングによっては別の展示も楽しめます。
直近では、2025年3月28日〜11月まで、TOTOの社会貢献活動を紹介する展示が実施中。内容は公式サイトでも紹介されていますが、やはり現地で見ると印象が変わるかもしれません。
ガイド付きでより深く楽しめる見学ツアー
じっくり学びたい方には、公式サイトから予約できるガイドツアーがおすすめです。展示物の背景や技術の話など、案内があると理解がぐっと深まります。
また、ガイドなしでも自由に見学が可能です。スマートフォンを使った無料の展示解説もあるので、音声ガイドを聞きながら自分のペースで回ることもできます。20名以上での来館や、貸切バスでの見学には事前予約が必要ですのでご注意ください。
行く前にちょっとチェック!TOTOミュージアムの楽しみ方
TOTOミュージアムの展示には、各所にわかりやすいパネル解説があるので、事前の知識がなくても十分に楽しめます。ですが、もし自宅のトイレや水まわり設備について「いつ頃の製品なのか」「どんな機能があるのか」などを少し調べておくと、展示品と見比べながら楽しめて、より面白く感じられるかもしれません。
見学時間の目安としては、ガイド付きツアーの場合は約60分が想定されています。展示をじっくり楽しみたい方は1時間半~2時間ほど、すべての展示を細かく見て回りたい場合はそれ以上の時間を確保しておくと安心です。
館内には、ここでしか手に入らないユニークなお土産も豊富に揃っています。精巧な陶器のミニチュア便器や、トイレ型チョコレート、地元の「シャボン玉石けん」とのコラボアイテムなど、思わず話したくなるような小ネタ系アイテムがそろっています。ぜひ立ち寄ってみてください。
第1展示室 ― TOTOの歩みとものづくりの原点
ここからは、展示の中身を少しだけご紹介します。ミュージアムの入口を入りエスカレーターを登るとまず迎えてくれるのが、第1展示室。TOTOという企業がどのように生まれ、なぜトイレをつくるようになったのか、そのルーツをたどるエリアです。
“食器メーカー”から始まった!?TOTO創業の物語
実はTOTOのはじまりは、いま私たちが思い浮かべる「水まわり」とは少し違うところにあります。そもそもルーツは、日本の食器を海外に輸出していた森村組という貿易会社。そこから、日本陶器合名会社(現在のノリタケ)を立ち上げて、本格的に陶器の製造を始めました。その流れの中から「日本にも衛生的なトイレ文化を根づかせたい」という想いが生まれ、東洋陶器株式会社が設立されます。これが、現在のTOTOにつながっていきます。

「なぜ食器を作っていた会社が、トイレを?」そんな疑問に対するヒントが、この展示室にはちりばめられています。当時の資料やパネル、実物の展示を見ながら歩いていくと、不思議とその流れがつながって見えてくるはずです。
食器と便器、まったく違うもののように思えても、実際に歴史を知ると、TOTOがトイレをつくるようになったのはごく自然なことだったのかもしれないなと、そんな風に感じました。その理由は、ぜひご自身の目で確かめてみてください。


徹底したこだわり、TOTOのものづくりプロセス
便器だけでなく、ウォシュレットや水栓金具なども手掛けており、製品一つひとつに技術とこだわりが詰まっています。展示室では、ウォシュレットの水が流れる仕組みや金属加工の一部工程を覗くことができ、「普段何気なく使っているあの製品もこんな風に作られているのか」と知ることが出来ます。

こうした裏側を知ると普段何気なく使っている水まわり製品にも少し目を向けたくなるかもしれません。
創業以来、TOTOが陶器に注ぐ技術と誇り

展示室の中央には、TOTOの前身である日本陶器合名会社が使用していた窯の模型が展示されています。全長およそ20mの実物を1/10スケールで再現したもので、内部には「匣鉢(こうばち)」という焼成用の容器を積み重ねて陶器を焼いていた様子が伺えます。また、地元・小倉の人々やTOTOの関係者から寄贈された食器類も数多く並んでおり、TOTOがこの地で長年にわたって地域と共に歩んできた歴史を感じ取ることができます。

中でも目を引くのは、深い瑠璃色のティーセット。皇室に献上するために製造された品として知られており、上品な菊の花が手描きであしらわれています。この色合いは、現在のTOTOのコーポレートカラー「オリエンタルブルー」のルーツでもあるそうです。
排泄物で走る!?1400kmの挑戦「トイレバイクネオ」
第1展示室の奥で思わず二度見してしまうのがこの「トイレバイクネオ」。トイレ型のバイクが堂々と展示されています。TOTOが環境への取り組みとして開発したこのバイクは、家畜の排せつ物から作られたバイオガスを燃料にして、本当に走ります。しかも、北九州から東京まで約1,400kmの道のりを実際に走破したというから驚きです。

見た目のインパクトだけでなく、水まわりと環境問題が密接に関わっていることを伝えるためのTOTOならではのユニークな取り組みです。現在はTOTOミュージアムにて実物が展示されており、その存在感を間近で体感することができます。
第2展示室 ― 技術と文化の発信拠点
第2展示室では、TOTOの技術や思想がどのように形づくられ時代とともに広がっていったのか、その歴史と変遷を見ることができます。展示されているのは、TOTOを支えてきた先人たちの言葉や、ここでしか見ることができない貴重な水まわり設備などです。
トイレだけじゃない!TOTOの半導体関連事業
食器からトイレへ、そしてトイレから今度はなんと「半導体」へ?第2展示室に入る前の通路には、そんなTOTOの新たな挑戦が紹介されています。実はTOTOは今や世界中で注目される半導体分野にも関わっています。「陶器と半導体ってどうつながるの?」と思うかもしれませんが、展示を見るとその理由が少しずつ見えてきます。
セラミックの可能性がどこまで広がるのか、ビジネスのヒントにもなりそうです。陶器で世界をどう変えていくのか。そんな未来を感じさせてくれるTOTOの技術に、これからの展開にも期待が高まります。
良品供給と顧客満足 ― TOTOが継承する先人たちの言葉
第2展示室の中央には、TOTO創立を支えた先人たちが紹介されています。展示の中には、TOTOの社是「愛業至誠」の原本や、創業期の想いが残された言葉の数々も。それらが今もなお、TOTOのものづくりに根づいていることが伝わってきます。

実際に立ち止まって読んでみると、意外と自分自身の仕事観にも重なる言葉が見つかるかもしれません。ミュージアム見学の前にはTOTOの衛生陶器開発に携わる桃枝氏にもお話を伺いましたが、取材の中でもこの意志が受け継がれていることを強く感じました。
ショールーム拡大の背景にあるリフォーム需要
TOTOは全国各地にショールームを展開していますが、その背景には「リフォーム需要の高まり」がありました。現在では国内に約100箇所を展開しています。ショールームでは実際の商品を見たり触ったりすることで、ライフスタイルや自分の好みに合った商品を選ぶことができます
展示室では商品が今のように自由に見られなかった時代、営業担当が持ち歩いていたミニチュアモデルも紹介されています。陶器の色や質感がほとんど変わらないからこそ、小さくても実物の魅力が伝えられた。そんな工夫に触れると、現代の製品にもつながる誠実さを感じられます。

水まわりのレスキューガイド運営チームでは東京の石神井にあるショールームにも取材に伺いました。ショールームで体験できることやTOTOのこだわりが詰まったポイントをまとめていますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。
日本の“水まわり”進化の歴史
続いて第2展示室では、日本の水まわり文化の移り変わりを時代ごとにたどることができます。とはいえ、ここで説明をしてしまうより実際に展示室で時代を進むように歩いてみるのが一番です。江戸の暮らし、明治のデザイン、戦後の住宅事情。トイレひとつとっても、その形や素材、求められる機能が時代とともに大きく変わってきたことがわかります。
そして、思うはずです。「最初のトイレと今のトイレって、こんなに大きさが違うの?」「歴代のトイレって、いったい何種類あるの?」その答えは、ぜひ現地で確かめてみてください。想像をはるかに超える展示が、きっと待っています。



トイレ文化から見る日本の暮らしの変化
第2展示室の後半では、トイレの形や機能がどのように変化してきたのかを、実物展示を通してたどることができます。入ってすぐ目に入るのは、しゃがんで使う和風便器と現在主流の腰掛け式便器。それぞれのサイズや形の違いが実際に並べて展示されていることで、視覚的にもよくわかります。

奥へ進むと、水洗式トイレの普及とともに変化してきたトイレタンクの進化や、節水技術の歩み、さらに便座の素材や機能の変遷まで見ることができます。便座に残された傷の跡や、暖房便座・ウォシュレットの登場など、時代のニーズに応えて開発されてきた背景も紹介されています。

一つひとつの変化には、当時の暮らし方や価値観が反映されていて、トイレが「単なる設備」ではなく「生活の一部」として進化してきたことが伝わってきます。最初のトイレと、今のトイレのサイズや機能の違いはどれくらいあるのか。歴代のトイレは何種類並んでいるのか。その答えは、ぜひ現地で体感してみてください。


見ごたえアリ!貴重な設備の実物展示
戦後にGHQ総司令部本部が置かれた旧第一生命館で使用されていた小便器や、日本初のユニットバスルーム、ピエール・カルダンがデザインを手掛けた洗面台などトイレ以外にもさまざまな展示が行われています。
エロンゲート、力士用、子ども用の3つの便器は実際に座ってみることができるので、その違いを身体で感じてみるのもおすすめです。子ども用、力士用、変わった形の和風便器など、一つひとつの背景を知るとトイレはただの設備ではなく、「使う人に寄り添う道具」なのだと気づかされます。

第3展示室 ― 世界へ広がるTOTOブランド
第3展示室では「その国・地域のTOTOになる」をテーマに世界で販売されているTOTOの水まわり商品の展示が行われています。ここでは、世界各地で展開されているTOTOの水まわり製品がずらりと並び、地域によって異なるライフスタイルやニーズに合わせて、TOTOの製品がどのように進化しているのかを感じ取ることができます。
美しさと機能を極めた「NEOREST NX」の世界
展示室の中央でひときわ存在感を放つのが、TOTOのフラッグシップモデル「ネオレスト NX」。陶器と樹脂を組み合わせた一体型のデザインでありながら、まるでひとつの素材でできているかのような、美しい仕上がりが特徴です。

実際には、樹脂でできた便座部分も陶器のような手触りになるよう4回も塗装されており、ロゴの細部にまで質感のこだわりが詰まっています。まるで美術品のような一台ですが、同じ空間には海外ホテルのスイートルームで使われているシリーズのバスタブも展示されており、TOTOの“最高峰のくつろぎ”を体感できる空間になっています。
グローバル展開 ― 地域に根ざすTOTOの姿
展示室の壁には、中国・アジア・ヨーロッパ・アメリカの各地域で販売されているTOTO製品が並んでいます。どれもTOTOが開発した製品ですが、地域ごとの暮らしや建築事情に合わせて、形や機能、デザインが大きく異なっているのが印象的です。TOTOは「地産地消」を基本にしており、現地で必要とされる製品を、現地でつくる姿勢を大切にしています。その結果として、各国で根づいた“その土地らしいTOTO”が展示からも感じられます。
たとえばヨーロッパでは、壁に設置する「壁掛けタイプ」のトイレが人気です。掃除がしやすく、すっきりとした見た目も好まれています。建物の構造に合わせて、配管は壁の中に収めるのが一般的で、こうした背景がトイレのかたちにも影響しています。

一方、アメリカではタンクと便器が一体となった「ワンピース便器」が主流。どこか懐かしさのあるクラシカルなデザインが人気で、ヨーロッパとはまた違った文化が見えてきます。さらに、アメリカでは水不足対策のために厳しい節水基準が定められており、TOTOは独自の技術でそれをクリア。「節水しても、快適さはそのまま」を実現する技術力は、世界各国で高く評価されています。

どの製品にも「その国らしさ」と「TOTOらしさ」が自然に融合していて、見比べるだけでもとても興味深い展示です。同じ“トイレ”という製品でも、使う人や暮らしのあり方によって、これほどまでに違いがあるのかと驚かされました。世界中のトイレの違いと、それぞれの背景にある暮らしや文化が、ここ北九州・小倉でまるごと見られるとしたら…。これは、やっぱり実際に足を運んでみたくなりませんか?
TOTOミュージアムの施設情報
TOTOミュージアムへ訪問する際には予約は不要ですが、休館日があるため事前に確認をしてから計画を立てて訪問するのがおすすめです。以下では施設情報とアクセス方法をまとめているので参考にしてください。
施設情報
連絡先 :TEL 093-951-2534 / FAX 093-951-2539
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 :月曜日・夏期休暇・年末年始
入館料 :無料
アクセス
・香春口三萩野駅で下車
・南口から出る
・国道3号線を八幡方面(徒歩10分)
・八幡方面より国道3号線を左折して入場
※無料駐車場がありますが、混雑時には近隣のコインパーキングを利用
・JR小倉駅小倉城口のタクシー乗り場から
※移動時間約10分
・JR小倉駅小倉城口の小倉駅バスセンターから乗車
・貴船町で下車
※移動時間約15分
TOTOの歴史や想いに触れられる、貴重な展示や資料の数々
創業当時から受け継がれてきた高い技術力や環境への取り組みを知り、単なる製品ではなく、そこに込められた“TOTOの想い”に感動しました。展示物の一つひとつにストーリーがあり、TOTOがどのようにして現在の姿になったのかがよく理解できます。
TOTOミュージアムは、水まわり製品に詳しくない方でも気軽に楽しめる場所です。展示はわかりやすく工夫されており、子どもから大人まで幅広く楽しみながら学べるのが魅力です。これから訪れる方は、まずは気軽に足を運んでみてください。普段何気なく使っている水まわり製品への見方がきっと変わるはずです。
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
PR









