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TOTOのトイレはここがすごい!独自の技術を活かした3つの特徴を解説

2025.07.28
2025.07.25
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現在の日本ではTOTO、LIXIL、Panasonicの主要3メーカーを筆頭にトイレの開発が進んでいます。自宅のトイレをリフォームする際にはついつい金額や機能を比較してしまいがちですが、トイレは一度交換したら10年以上使用し続けます。大きな買い物だからこそ品質にもこだわって選ぶべきでしょう。

この記事では多くのユーザーに選ばれ続けているTOTO製トイレの品質の秘密を徹底解説。秘密を探るべく水まわりのレスキューガイドが福岡県北九州市にある小倉第一工場へ調査に伺いました。
目次 

今回TOTOの衛陶工場をご案内いただいたのは、見学対応を担当されている戸成有希さんです。当日は、工場の設備や製造工程についてわかりやすく丁寧にご説明いただきました。

戸成有希|TOTO株式会社 衛陶企画グループ
1990年3月入社。2024年4月・衛陶生産本部衛陶企画Gへ転籍。販売関係のお客様や一般の方々、北九州市内の小学生による社会科見学の皆様による衛陶工場見学の案内を担当しています。

TOTO製品の3つの特徴

なぜTOTOが国内外で選ばれているのかを理解するうえで製品の特徴を理解しておく必要があります。まずこの項ではTOTO製品の特徴を3つ紹介します。

・お掃除ラクラク!きれいが長持ちするトイレ
・見えないところまでこだわった詰まりにくいトイレ
・わずか3.8Lで洗浄できる節水機能

TOTOのトイレのイメージを聞くと、掃除の手間が少ない、詰まりにくい、節水機能が優れているといった声が多いです。これらの特徴はTOTOの強いこだわりから生まれた独自の技術によって実現しており、多くの方に喜ばれています。この3つの特徴について運営チームが工場見学やインタビューを通して調査し、詳しく解説します。

お掃除ラクラク!きれいが長持ちするトイレ

最初に紹介するのはきれいが長持ちするトイレの秘密です。TOTOではセフィオンテクトときれい除菌水による除菌技術を採用することで、トイレの汚れを付きにくく落ちやすい状態に保っています。

さらにフチなし形状の便器はトイレ掃除の際の死角をなくして隅々まできれいにしやすくなっており、かんたんなお掃除でもきれいな状態を長持ちさせやすくなりました。

2層構造で新品の輝きを長期にわたって維持

陶器は通常焼き上げる前に釉薬を吹き付けて仕上げます。釉薬はガラス質でできているため丈夫で美しい仕上がりになります。TOTOの便器も同様で釉薬を吹き付け焼き上げることに よって表面が滑らかになり、汚れが付きづらいきれいな状態が長持ちします。

TOTOが使用する釉薬は通常の色つやを出す釉薬層の上に、1999年に開発したセフィオンテクトと呼ばれる超平滑なガラス層の2層からなり、表面がより滑らかになるため他の製品よりも汚れのつきにくい状態を実現しています。

トイレが滑らかであることで汚れが付きづらく、付いた汚れもかんたんに落とすことができるのでTOTOのトイレは長く使用しても新品のようなきれいな状態を保ちやすくなっています。

ナノレベルで凹凸を減らして汚れを寄せ付けないセフィオンテクト技術

陶器で焼き上げた製品には肉眼では見えない小さな凹凸があり、この凹凸に汚れが付着することで便器は汚れます。便器に付着する汚れは有機物なのでそれを栄養とする菌が繁殖しやすく、汚れは広がっていきます。

しかし、TOTOのセフィオンテクトでは100万分の1mm(1ナノメートル)という限りなく平滑な表面を形成しており、付着した汚れがトイレの水を流すだけで落ちやすくなっています。セフィオンテクトでは2層目に透明なガラス層を形成することでこの平滑な便器表面を実現しており、汚れが付きにくく落ちやすい特徴につながっています。

このセフィオンテクトという加工技術は1999年に誕生したものですが、今もTOTOの独自性が保たれているのは、TOTOの高い生産技術の賜物だと言えるでしょう。

熟練の職人技を機械へ伝承することで大量生産が可能に

TOTOのセフィオンテクトが性能を発揮するには便器全体にムラなく均一に釉薬(ゆうやく)を吹き付けることが重要です。TOTOの工場ではこの施釉の工程を職人による手がけ施釉とロボットを使ったロボット施釉に分けて行っています。

※釉薬:陶器を焼き上げる前に吹き付けるガラス質でできたコーティング材。表面をコーティングすることで滑らかになるようにしている。

ロボット施釉では職人が行う施釉の動きを何度も学習させて人の手の動きを忠実に再現させており、厚さ0.6mmの薄さで均一に吹き付けています。普段は見えませんがトイレの排水口奥は下水のにおいが上がってこないように複雑な造りになっており、この部分までをスプレーで完璧に施釉することは難しく、釉薬を浸すなどして施釉します。細かな部分は人の手で施釉をすることで高い品質の便器を生産しています。

職人による手がけ施釉

このように高品質にこだわりながらも熟練技を機械へ学習させることで大量生産ができるように工夫しています。

見えないところまでこだわった詰まりにくいトイレ

続いて紹介するのは詰まりにくいトイレです。TOTOのトイレは長く使用していても詰まりにくいトイレであると言われています。本項ではその詰まりにくいトイレの理由、TOTOがトイレを作るときに意識していることを紹介します。

便器の奥まで丁寧に施釉

TOTOでは便器に施釉をする際に便器の表面すべてに施釉をします。前述したように便器は使用時には見えない部分まで複雑に作られており、施釉をするのもかんたんではありません。目に見えない部分は汚れていても気づかないため、施釉されないことも多いようですが、TOTOではこのような細かい場所まで丁寧に施釉を行っています。

この目に見えない排水管の部分は複雑な作りになっていることが原因でトイレットペーパーが詰まりやすい場所でもあります。トイレットペーパーは便器のわずかな凹凸に引っかかり、この積み重ねによってトイレ詰まりが引き起こされます。便器の奥まで丁寧に施釉をして滑らかにすることでトイレットペーパーの引っかかりが少なくなり、トイレ詰まりも起こりにくくなります。

たった1つでも不良品を出さないための工夫

TOTOは国内でもトップクラスのトイレメーカーで、その生産量も非常に多いです。しかしTOTOのトイレで初期不良があったという話はあまり耳にしません。そして工場見学を通してその理由がわかりました。

TOTOでは各工程でトイレの検査を行い、不良品を弾いていました。お話を伺ったところ、たとえば1,000個のトイレを製造して1個の不良品が出た場合、不良品率で言えば0.1%。扱いの難しい陶器を使っているのであればこれでもかなり良い数字です。しかし、購入したお客様からすれば100%の不良品率なのでそうならないように徹底して検査を行っているとのことです。

見えないところのこだわりはなかなか気付くものではありませんが、このようなこだわりがTOTOが選ばれ続ける理由なのだと感じます。

わずか3.8Lで洗浄できる節水機能

TOTOでは2012年に販売したネオレストシリーズで使用水量3.8Lと大幅な節水に成功しています。その10年前のトイレでは約8Lを使用しており、節水効果は非常に大きいことがわかります。この項ではTOTOがどのようにして節水機能を開発しているのか、そして実現できたのかを解説します。

10,000回を超える実験で今の形状にたどり着く

TOTOでは排水経路を設計する際に職人が形を作って実際に水を流して性能を見ていました。これは国産初の便器を製造した1914年から同じで、当時は約17,000回以上のテストをして便器を製造しています。

一つの製品を作る際には何度も試作品を作り、どのように水を流すことで便器の汚れを洗い流してきれいな状態を保てるのか、どのように水を流せば少ない水でも詰まることなく物を流すことができるかを実験して開発をしており、現在販売されている商品に活かされています。

ただ水を少なくするだけではトイレ詰まりなどのトラブルの原因になり、大量の水を使っていてはお財布にも環境にもよくありません。TOTOではこのようにしてさまざまなユーザーニーズに応え続けていました。

現在は高精度流体解析技術により効率化

TOTOでは水まわり商品の開発に活用するため、流体解析ソフトの独自開発に取り組み、2010年代半ばから衛生陶器の商品開発に活用しています。

実際にモデルを作って流れを研究するよりも短期間で行えることで商品開発のスピードは上がり、これまで以上に消費者のニーズに応えられる商品が作れるようになりました。

職人の手作業で複雑な形状を作り出す

トイレの排水路は効率良く水を流せるように複雑な形状をしています。この複雑な形状を陶器で形づくるのは難しく、高品質のトイレを作るためにTOTOでは複数のパーツを作り、手作業で組み合わせて便器の形に成形します。排水路や接続部分に少しでも凹凸があればそれが原因で水流の変化がおきたり、トイレットペーパーなどが引っかかる原因になったりします。複雑な形状を完全に再現するのは熟練の職人による手作業でした。

陶器は乾燥するほど硬くなるため、成形の工程ではまだ柔らかいうちに接合し、クラックができないように継ぎ目をなくすように手で均します。この成形を行う部屋は温度と湿度を一定に管理して品質を維持しています。高湿の部屋のためややもわっとした部屋で職人の方がひとつずつ手でなぞって作業をしており、その正確性とスピードに驚かされました。

一発勝負の成形工程

小倉第一工場の工場見学では成形工程の一部を体験することができます。二人一組となり便器のリムの部分を持ち上げて便器の土台へと乗せる工程を体験できるのですが、正確な位置に一発で着地させる必要があり想像以上に難しい作業です。工場の方は掛け声無しでテンポよく組み立てているので凄さがわかります。

工場見学をする際には是非チャレンジしてみてください。
工場見学にて便器の成形を体験している様子。

扱いの難しい陶器を使ってトイレを作る

トイレのような水まわり設備に使用される陶器を特に衛生陶器と呼び、TOTOの専門分野でもあります。陶器は成形をしてから乾燥の工程で約3%、さらに焼成の過程で10%ほど縮むとされています。
TOTOではこの陶器の収縮を計算して、完成時に普段目にする便器の形になるように成形を行っており、この収縮予測はTOTOが100年以上陶器を扱う会社だからこそできる高度な技術力の証です。

小倉第一工場では乾燥前のサイズの小便器(成形品)、乾燥後の小便器(生素地)、焼成後のトイレ(製品)が並べてありますが、サイズが大きく変わっていることがわかります。またサイズだけでなく、成形品は手前にお辞儀をしているような形状だったものが、焼成によって後ろへ反り、普段目にする小便器の形状になっていることもわかります。
左から、成形品・乾燥品(生素地)・焼成後(製品)

工場見学を通して知った、品質への徹底したこだわり

ここまでTOTO製トイレが持つ特徴を解説しました。TOTOがどのような思いで開発を進め、それが評価されてきたのかが理解できたかと思います。本項では最後に工場見学を通して知ったTOTOの品質へのこだわりや考え方を紹介します。

陶器のノウハウがあるTOTOだから実現できたこと

TOTOは現在でこそ住宅設備のメーカーとしてよく知られていますが、創業当時は東洋陶器という社名であったように陶器を専門に扱う会社です。現在では静電チャックやAD部材のような半導体製造装置用の部材も生産しています。そのようなTOTOがユーザーのためになるものとして開発したものが衛生陶器であり、きれいな状態で長く使用することを想定して作られているため高品質の製品が多いことがわかりました。

しかし前述したように陶器の扱いは難しく、100年以上の歴史があるTOTOだからこそ実現できているのだと実感します。人生の中でトイレを選ぶ機会は頻繁にあるものではなく、一回の工事で消費する金額も非常に大きいです。だからこそ価格や機能だけでなく、安心して長くきれいに使えるものを選ぶべきなのではないでしょうか。

高品質だけでなく均質にもこだわる理由とは

工場見学やその後のインタビューで何度も耳にしたのが「良品と均質」という言葉。これはTOTOの社是にもなっており、初代社長である大倉和親氏の残した言葉に由来するものです。良いものを世に送り出し、顧客が満足することこそが実体で、利益というものは後からついてくるものであるという考えは今でも色褪せず伝承されています。それは良いものを開発しようと日々研究をする開発者、良いものを作り出す技術者、それを検査する検査員全員がその想いを持っているからこそだと感じます。

さらに高品質だけでなく均質であることも特徴で、TOTOが販売している製品は毎日いろいろな場所で使用されるためムラがあってはいけません。品質にバラつきがあればその分水漏れやつまりといったトラブルが起きるリスクが高まるため良品とは言えません。TOTOは国内だけでなく海外にも展開しており、人気のあるメーカーです。世界中どこで買っても同じ品質の製品が手に入るという安心感はブランドの信頼にも繋がります。

完成品は全数検査を実施して品質を徹底

TOTOでは全数検査を実施することで不良品を出さない努力をしています。TOTOの商品で初期不良の話をあまり聞かず、長く使用しているものでも不具合があまり出ていないのには目に見えない部分での企業努力がありました。工場見学では検査工程を見ることができますが、これは時間もお金もかかる大変な作業です。一つひとつ手作業で作り上げた製品を各工程の検査で見つかったわずかな不備で弾くのはなかなか勇気のいることのように思えます。しかし商品に関わるすべての人のブレない軸として先人の想いが浸透しているからこそできることなのではないでしょうか。

工場見学では焼成後の肉眼による検査と打音検査の様子を見学しました。肉眼による検査では形状変化によって外観や寸法にズレがないかを確認しています。特にネオレストは陶器製便器と樹脂製便座を組み合わせるため僅かなズレも見逃せません。

打音検査では目で見つけることが難しい小さな傷を見つけるための検査で、木槌で便器を叩くことで生じる音の違いから判別します。ひびのない陶器では「コンコーン」「カンカーン」といった澄んだ共鳴音が聞こえるのに対して、傷があると「ポコポコ」といった少し鈍い音になります。この記事のように文字で書くとわかりやすいですが、実際にはわずかな傷のため聞き分けることは難しく、取材班は当然聞き分けることはできませんでした。しかし熟練の検査員はこの僅かな違いを聞き分けているということで驚きです。

TOTOの確かな技術力と品質へのこだわりが選ばれ続ける理由

今回はTOTO製品が選ばれている理由を調査するために福岡県北九州市にある小倉第一工場へ見学に行ってきました。工場見学では製造工程だけでなく製造に関わるいろいろな方の想いや熱意を感じ、なぜ選ばれ続けているのかが理解できました。

TOTOの持つ品質への強いこだわりはカタログやショールームだけでは完全に知ることは難しく、メーカーの方や職人の方からも話を聞くことが重要です。陶器で作られたトイレは樹脂製のトイレよりも重く、高価になってしまうが、それでもトイレとして一番良いものを作ろうとすれば陶器になる。だからこそTOTOでは陶器にこだわってトイレを作っているというお話を聞き、深く感心しました。

今回の取材では小倉第一工場見学以外にもTOTOの歴史がわかるTOTOミュージアムや開発者独占インタビュー、特例子会社のサンアクアTOTO株式会社への見学も行っているので興味がある方はこちらもぜひ参考にしてください。