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断水時のトイレ対策マニュアル|原因やトイレの流し方・緊急時のトイレを解説

2025.05.13
2025.04.10
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突然の断水でトイレが使えないと困りますよね。ただ、断水中でもトイレを使いたくなるのはしょうがないことです。しかし、断水中はトイレを流しても良いのでしょうか?

本記事では、トイレの断水において、断水の主な原因から、断水時の正しい水洗トイレの流し方、緊急時に利用できる簡易トイレの方法、さらに断水後に気を付けるべきポイントまで丁寧に解説します。戸建て・マンション問わず、知識やDIY経験がなくても安心して実践できる内容です。
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目次 
伊藤 直樹
監修者

水道設備業者 トイレ・洗面・キッチン設備主任

伊藤 直樹 (株式会社プログレス)

株式会社プログレス 入社平成24年3月  暮らしの中で必要なレスキューサービスを提供する株式会社プログレスにてトイレ・洗面・キッチン周りの設備主任を担当。水回り業務に8年従事し、累計3000件のトイレ・洗面・キッチン関連のトラブルを解決。多くのお客様に信頼される「トイレ・洗面・キッチン」のスペシャリスト。

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トイレの断水の原因

まず、なぜトイレが断水してしまうのか、その代表的な原因を確認しましょう。

断水の原因
  • 停電
  • 災害
  • 給水設備のメンテナンス
  • トイレの故障

停電

建物の給水ポンプや電気設備が停電で停止すると、水道の圧力が維持できず断水につながります​。

特に高層マンションでは停電の影響で上階ほど水が出なくなりやすく、7階以上では完全に水が止まってしまうこともあります​。

戸建ての場合は停電が原因で断水することは非常に少ないですが、井戸水や加圧ポンプを利用している場合、停電でポンプが動かず水が使えなくなることがあります。

災害

地震・台風などの自然災害によって水道管や給水設備が損傷し、広範囲で断水が発生することがあります​。

例えば、台風で川が氾濫したり、地震によって地面に亀裂が入ることで水道管自体が破損してしまうケースも考えられます。

災害時には地域の水道施設も被害を受け、水道局による復旧作業に時間がかかる傾向があります。その間は自宅だけでなく周辺一帯で水が使えない状態が続く恐れがあります。

給水設備のメンテナンス

マンションなどでは受水槽の清掃や配管点検といった定期メンテナンスのために、計画的な断水が行われることがあります​。

この場合は事前に管理会社や自治体から通知があり、深夜や早朝の数時間で作業が完了することが一般的です​。そのため断水に備え浴槽に水を溜めておくなどの対策を立てることができます。

戸建ての場合でも、水道局の工事や宅内設備点検に伴い一時的に断水となるケースがあります。その場合も連絡があるはずですので、見逃さないようにしておきましょう。

トイレの故障

建物全体や地域の断水ではなく、トイレ本体の不具合が原因で水が出なくなるケースもあります​。

例えば、トイレタンク内の給水部品(ボールタップや浮き球)の故障、レバーハンドルの破損、あるいはトイレ直結の止水栓が閉まっているなどです​。

このようなトイレ自体の故障の場合は、他の蛇口から水が出るか確認し、トイレだけ水が出ない場合は修理が必要になります。

原因によっては自分で直せる場合もありますので、その場合は以下の記事を参考にしてください。

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断水時にトイレを流す方法・手順

断水中でも、工夫すれば水洗トイレを使う(流す)ことが可能です。ただし通常とは手順が異なるため、正しい方法を理解しておきましょう。

必要な道具

断水時のトイレを流すために、以下の道具を準備してください。

断水したトイレを流すために必要な道具
  • バケツ
  • 新聞紙や古タオル
  • 手袋

バケツは容量5〜8リットル程度のバケツを用意します。トイレタンクの代わりに水を汲んで流すために使います。そしてできればきれいな水をバケツ一杯分(約5〜8L)確保します。事前に浴槽に水を溜めておくと安心です​。

工事など計画的な断水なら前もって備えておく必要があります。ただし、泥や髪の毛など汚れを含む水は詰まりの原因になるため避けてください​。

新聞紙や古タオルは床に敷いて、水が飛び散っても床が汚れないように養生するため使います。手袋は衛生面が気になる場合は必要に応じて着用してください。

断水時のトイレを流す手順

断水時のトイレを流す場合は以下のような手順で行いましょう。

断水時のトイレを流す手順
  1. 床の養生
  2. バケツに水を汲む
  3. 一気に水を注ぐ
  4. 流れきるまで繰り返す
  5. 封水を確保する
  6. 継続使用する場合の対策

断水の際は水道から水が流れないため、いつものようにトイレタンクに水が溜まることはありませんが、一定量の水を流すことでトイレ自体は流れるため、これから紹介する手順に従って水を流しましょう。

床の養生

トイレを流すための水がこぼれても良いように、トイレの周囲の床に新聞紙や雑巾を敷いておきましょう。

また、リモコン式の自動洗浄機能がある場合は電源を切り、便座とフタを開けておきます​。

バケツに水を汲む

トイレを流すための水をバケツに約5〜8リットル程度、用意します​。

あらかじめ断水することがわかっていれば、浴槽に汲み置きした水を使用し、突然の断水の場合は非常用の生活用水を活用しましょう。

ただし、お風呂の残り湯などを使うと、髪の毛やゴミがトイレ詰まりの原因になってしまう可能性がありますので、きれいな水を使うようにしましょう。災害時などでやむを得ずお風呂の残り湯を使用する場合は、ネットなどで可能な限り汚れを取り除いてから使用するようにしてください。

一気に水を注ぐ

バケツの水を短時間で一気に便器内へ流し込みます​。

勢いよく注ぐことで水圧が生じ、排泄物が流れます。高すぎる位置から注ぐと水が飛び散るため、便器の縁に近い低めの位置から一気に注ぐのがポイントです​。

小の場合も同様に一気に流してください​。

流れ切るまで繰り返す

1回の注水で汚物が流れ切らなかった場合は、同じ要領でもう一度水を流します​。

無理に大量の水を何度も流す必要はありませんが、汚物が完全に流れるまで繰り返しましょう。

封水を確保する

封水とは便器内に溜まっている水のことで、下水からの悪臭や害虫の侵入を防ぐ役割があり、排泄物が流れたら、最後に臭い防止のためバケツ半分程度(約3〜4リットル)の水を静かに便器に注ぎ、封水を確保します。

封水は流さず便器内に溜めておくものですので、勢いはつけずゆっくり注ぎ、便器のS字カーブ内にある封水を元の適正な水位に戻します。

継続使用する場合の対策

断水が長引き、この方法で何度もトイレを使用する場合は、2〜3回に一度はバケツ2杯分(10〜12リットル程度)の水をまとめて流しましょう​。

水量が不足したまま繰り返すと、排水管の途中に汚物が滞留して詰まりの原因になるためです​。

以上が断水時のトイレの流し方です。また後ほど詳しくご紹介しますが、断水時はトイレタンクに水を入れてレバーで流す方法は避けてください​。なぜならタンク内の水だけでは通常の水圧が得られず、排水不良や故障の原因となるからです。

断水時にトイレを流してはいけないケース

断水中でもバケツの水でトイレを流すことはできますが、状況によっては「流してはいけない」場合があります。誤って流すと二次被害が発生する恐れがあるため注意しましょう。

トイレを流してはいけないケース
  • 下水道や排水管が損傷している場合
  • 浄化槽使用住宅の場合
  • 行政から指示がある場合

下水道や排水管が損傷している場合

下水道や排水管が損傷している場合、トイレを流してはいけません。

地震など災害で断水しているときは、下水処理場の故障や道路下の排水管破裂などにより下水道が正常に機能していない可能性があります​。その状態で水を流すと、配管の破損箇所から汚水が漏れ出したり、逆流してトイレからあふれる危険があります​。

排水管の詰まりは復旧作業を遅らせ、修理費用もかさむ原因になるので、災害断水時はトイレに水を流さないようにしましょう​。

浄化槽使用住宅の場合

浄化槽(簡易下水処理設備)をお使いのご家庭で断水している場合もトイレを流してはいけません。

浄化槽が破損・傾斜していたり、停電で浄化槽のポンプが止まっていると正常に機能しません。

異常が疑われるときは無理に流さず、専門業者に点検を依頼しましょう​。

行政から指示がある場合

自治体が断水時にトイレの使用禁止を呼びかけているケースでは、それに従ってください。

また、バケツで水を注いでみて普段と違う音がする、流れ方がおかしいと感じた場合も使用を中止し、後述する簡易トイレ等の代替手段を検討しましょう

断水時でも利用できる緊急トイレ方法

断水状況や下水道の被害状況によっては、水を使った通常の水洗トイレが使えないこともあります。そのような場合に備え、水がなくても排泄物を処理できる緊急トイレの方法をご紹介します。

緊急時のトイレ方法
  • 携帯トイレを使用する
  • 袋を使用した簡易トイレを使用する
  • 段ボールを使用した簡易トイレを使用する
  • 断水していないエリアのトイレを借りる

携帯トイレを使用する

最も手軽に使える代替トイレが「携帯トイレ」です。

携帯用ミニトイレ

携帯トイレは袋と凝固剤(吸水ポリマーなど)のセットで、市販の洋式トイレに袋をかぶせて使用します​。排泄後に凝固剤を振りかけると内容物が瞬時に固まり、臭いの発生や菌の繁殖を抑えられます​。

使用後は袋の口をしっかり縛って可燃ゴミとして捨てるだけなので非常に衛生的で便利なグッズです​。

防災用品としてホームセンターやネット通販で購入できますが、いざという時に在庫が切れてしまうこともあるため、普段から数日分を備蓄しておくと安心でしょう。

携帯トイレが手元にない場合は、身近なもので簡易的な携帯トイレを作ることもできます​。

大きめのゴミ袋を二重に重ねて洋式便器にかぶせ、中に市販の凝固剤を入れるか、代用品として細かくちぎった新聞紙・使い捨てオムツ・ペットシーツ・猫砂など水分を吸収する素材を入れて用を足します​。代用凝固剤が排泄物の水分を吸収して固まりを作り、臭いも軽減できます。

処理後は袋を縛ってゴミとして廃棄しましょう。

袋を使用した簡易トイレを使用する

「簡易トイレ」と呼ばれる組み立て式の簡単なトイレセットも非常時に役立ちます。

簡易トイレ

引用元:Amazon

簡易トイレは凝固剤・排泄物用の袋・簡易便座(箱状の枠)がセットになっており、洋式トイレがない場所でも設置して使える簡単トイレです​。災害用に販売されているものを事前に備蓄しておけば、万一自宅のトイレが壊れてしまった場合や、避難所でトイレの数が足りない場合などにも対応できます​。

段ボールなどでできた簡易便座に袋をセットし、排泄後は凝固剤で処理して袋ごと廃棄する流れです。

普段から家族数日分の簡易トイレを用意しておくと、断水時でも落ち着いて対処できるでしょう。

段ボールを使用した簡易トイレを使用する

携帯トイレなど、緊急時に使える市販品がなくても、段ボールを使って即席の簡易トイレを自作することもできます​。作り方の一例を紹介します。

段ボールで簡易トイレを作る手順
  1. 大小2つの段ボール箱を用意します。小さい方の箱が大きい箱にすっぽり入るサイズが理想です。
  2. 大きい段ボールの上面に小さい段ボールを逆さまに当て、縁取りをして穴を切り抜きます。そこに小さい段ボールをはめ込むと、簡易的な便座部分になります​。
  3. 段ボールだけでは強度が足りず座れないため、隙間に板状の段ボールを詰めて補強します​。これで大人が腰掛けても潰れない簡易便座の完成です。
  4. 段ボール便座に大きなゴミ袋を二重にかぶせ、中に新聞紙を細かく裂いたものなど吸水素材を入れます​。あとは通常通り排泄し、終わったら袋を取り外してしっかり縛り、可燃ゴミで処理します。

段ボール簡易トイレは身近な材料ですぐ作れるため、断水時だけでなくアウトドアや避難時にも活用できます。高さや安定感も自分で調整できるので、防災訓練の際に一度組み立てを練習しておくと安心です​。

断水していないエリアのトイレを借りる

断水が自宅や一部地域だけで発生している場合、可能であれば断水していない場所のトイレを借りることも選択肢になります。

例えば、ご近所で断水していない家にお願いする、近くの公園や商業施設のトイレ(給水されている所)を利用する、あるいは一時的にホテルや避難所に行ってトイレを使わせてもらうといった方法です​。

トイレを借りられる施設の一例

特に貯水槽清掃や水道工事などによる計画断水の場合は、事前に宿泊施設を予約しておくことも検討できます​。

ただし、広域的な災害断水時は周辺もすべて断水していたり、安全に移動できなかったりするため、外でトイレを借りるのは難しいでしょう​。そのような状況では先述の携帯トイレや簡易トイレで乗り切るしかありませんので、状況に応じて柔軟に対処してください。

断水時の注意点

断水時に気をつけておきたいことは下記です。

断水時の注意点
  • トイレタンクに水を入れて流さない
  • 止水栓(元栓)を開く
  • トイレを流す前に蛇口をゆっくり開く
  • 蛇口から流れる水のにおい・色を確認する

トイレタンクに水を入れて流さない

断水時はトイレタンクに直接水を入れて流さないでください。タンクに水を足せば通常通り流せそうに思えますが、実はこれは推奨されません​。

トイレは、タンク内の水と給水管からの水圧を組み合わせて水流を作る、効率的に流す設計になっています​が、断水中は給水管からの水がないため、タンクに水を入れるだけでは必要な水量・水流が確保できず、汚物が流れ切らなかったりトイレ詰まりの原因になったりします​。

また、タンク周辺には電装部品(自動洗浄機能や洗浄ノズル等)が付いている場合があり、タンクに水をいれる際に誤って水がかかると故障する恐れもあります​ので、断水時は必ず便器内に直接水を注いで流す方法を取りましょう。

止水栓(元栓)を開く

断水中は、自宅の水道管内に濁った水や空気が入り込まないように、敷地内の止水栓(元栓)を閉めておくのが一般的です​。断水が解消したら、まずこの止水栓を開けます。

戸建て住宅では敷地内の水道メーター付近に設置されたバルブが止水栓です。マンションの場合は玄関脇などに元栓があることが多いでしょう​。

水道の元栓の場所

止水栓を開ける際は、一気に全開にせずゆっくりと少しずつ開いていくことが重要です​。復旧直後は水道管内に溜まった空気が急に押し出され、水が激しく噴き出したり配管に衝撃を与えたりする「エアーハンマー現象」が起きる恐れがあります​。

また、空気以外にも砂利やサビが混入している可能性もあります​。トラブルを防ぐため、止水栓は少しずつ段階的に開いて、水の流れや音に注意を払いながら作業しましょう。

トイレを流す前に蛇口をゆっくり開く

元栓を開けて給水を再開したら、次にトイレより先に台所や洗面所など各所の水道蛇口を順番に開けていきます。こちらも勢いよく開くのではなく、蛇口を半開き程度にゆっくりひねるようにします​。

急に水を出すとエアーハンマー現象で蛇口に衝撃が加わり、中の部品を損傷する可能性があります。

エアーハンマー現象とは

蛇口を開けたら、最初は空気が混ざって「ゴボッ」と音が出たり、一時的に白く濁った水が出たりすることがありますが、しばらく水を流しっぱなしにすると次第に安定します​。

台所や洗面所など主要な蛇口では5分程度水を出し続けて、配管内の空気をすべて追い出しましょう​。

蛇口から流れる水のにおい・色を確認する

水を流し始めたら水質の確認を行いましょう。具体的には、以下のような色やにおいがしないかを確認しましょう。

においや色による水の状態
  • 赤茶色の水が出る
  • 白く濁った水が出る
  • 鉄錆のような金属臭がする

赤茶色の水が出る場合

配管内の錆が混ざって水が濁っている可能性があります。

数分間流し続けて透明になれば問題ありませんが、長時間経っても茶色いままの場合は配管の劣化が疑われます。

白く濁った水が出る場合

水に細かい気泡が混ざって白っぽく見えている状態です。

これは断水中に入り込んだ空気や、水圧変化で溶け込んだ空気が原因で、健康への影響は特にありません​。コップに汲んでしばらく置くと透明に戻るようなら心配いりません。

鉄錆のような金属臭がする場合

水道管内部の鉄分が溶出している可能性があります​。

少量であれば口に入っても問題ありませんが、匂いが長く続くときは配管トラブルの兆候です​ので、念の為水道修理業者に連絡をしたほうが良いでしょう。

断水によってトイレのトラブルが見られたら水道修理業者に相談を

急な断水でも落ち着いて対処すれば、衛生的にトイレを使い続けることができます。日頃から非常時のトイレ方法を家族で話し合い、必要な道具を備えておくことで、いざという時も安心です。

また、普段とは違う流し方になるため、トイレのつまりなどの不具合が起きてしまうこともあります。そのため、もしもおかしな点があれば、水道修理業者に点検を依頼しましょう。

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