トイレに溜まっている水「封水」とは?
トイレに溜まっている水を封水と呼び、排水管の蓋の役割をしています。一定量の水を溜めることによって、下水の匂いや害虫の侵入を遮断する仕組みになっています。
しかし封水はトイレの状況や使い方によっては、水位が下がってしまったりなくなってしまったりすることがあります。
封水がなくなると、下水からの悪臭や害虫が侵入してしまいかねませんので、封水がなくなる原因やその対策を知っておくことが大切です。
封水の正常な量は、便器の排水管につながる穴が水中に完全に隠れる程度です。したがって、この穴が水の外に出ている場合は、正常な状態ではないと考えてよいでしょう。
トイレの水位が低くなる原因は主に3つ
トイレを使っていないのに水位が低い、トイレを使った後水を流すと水位が下がる、いずれの場合においても、トイレがつまっているまたは何らかの不具合が考えられます。
トイレの水位が低くなる原因について考えられるものとして、以下の3点が挙げられます。
- 長期間の未使用により水が蒸発した
- 便器内に紙や異物がつまっている
- タンク内の部品の不具合・便器の破損など
水位が下がっている状態は、まだ自分で対処できる可能性があります。早急に対応することをおすすめします。
長期間の未使用により水が蒸発した
トイレを長期間使っていないと、水が蒸発して水位が低くなることがあります。
数日間トイレを使わない程度では影響はありませんが、数ヶ月以上蓋を開けたままトイレを使わないでいると、封水が空気に触れて蒸発し水が減ってしまいます。
便器内に紙や異物がつまっている
次に、紙や異物が排水管につまっていることが考えられます。
便器奥の排水トラップ上部に残留してしまったトイレットペーパーやゴミが、封水を吸い取ってしまう「毛細管現象」が起きているかもしれません。

もしトイレを使っていない状態でトイレの水位が下がっている場合は、排水口の奥にトイレットペーパーやゴミなどがつまっている可能性を疑いましょう。
トイレを洗浄し、汚物が排水口へ排出された後に封水が低い水位で止まってしまった場合も、排水管のつまりが生じている可能性が考えられます。
また、トイレがつまっていなくても、集合住宅の場合は上の階に住んでいる人が排水立管に大量の水を流すことにより気圧が下がり、溜めている封水が排水管へ流れてしまうことがあります。
この場合は、自分ではどうすることもできませんので、管理会社や大家さんに相談してみましょう。
タンク内の部品の不具合・便器の破損など
まず、サイフォン式の便器の場合、ボールタップとオーバーフロー管の間に、補給水管(補助水管)と呼ばれるゴム製の管があります。
サイフォン式とは便器の洗浄方法の一種で、サイホン作用を利用することで汚物を排出する便器のことです。
補給水管はオーバーフロー管に差し込まれているのが正常な状態ですが、なんらかの原因で外れてしまうと便器内に必要な水が供給されず、封水の水位を保てなくなります。
また便器が破損していたりひび割れていたりすると、便器内の水が漏れ出して封水の水位が少なくなってしまうことが考えられます。
どの原因にも該当しない場合は?
ここまで説明したどの原因にも該当しない場合は、設計ミスやトイレの故障で水漏れしている場合があるので、業者へ相談することをおすすめします。
水漏れをしてしまうと、トイレの故障や部屋に悪臭が発生するだけでなく、集合住宅であれば、階下の部屋にも迷惑をかけてしまう恐れがあります。
原因がわからないまま放置していると、さらに悪化することになるので早めに業者に連絡するようにしてください。賃貸物件にお住まいの方は、速やかに大家さんに伝えましょう。
トイレの水位が低い場合の対処方法
トイレの水位が低い場合、以下のような対処方法があります。
- 水を足す
- トイレのつまりを解消する
- トイレタンク内の不具合を解消する
これらの方法は自分でも簡単にできることなので、まずは試してみましょう。
これらの対処方法を試しても水位が変わらない場合や、自分で解決できるか自信がない方は、早めに業者に相談しましょう。
対処法1:水を足す
長期間トイレを使わないことによる封水の蒸発が原因の場合、水を足すだけで解消されます。
長期間不在にしたりトイレを使用しなかったりした後に水位が減少していた場合は、まずは洗浄レバーで水を流して様子を見ましょう。
トイレの不具合がなければ、水位は元に戻ります。
対処法2:トイレのつまりを解消する
トイレのつまりを解消する方法として、以下の3つがあります。
- スッポンでつまりを解消する
- ワイヤーブラシ(ワイヤー式パイプクリーナー)でつまりを解消する
- 洗剤を流してつまりを解消する
順番に解説していきます。
スッポンでつまりを解消する
トイレがつまった場合、スッポンを使ってつまりをとる方法があります。
スッポンは、水に流せるものが原因のつまりにのみ有効な方法です。トイレに流せるものとは、トイレットペーパーや排泄物、水に流せるトイレクリーナーなどです。
スマホなどの固形物や、水に流せないタイプの生理用品やペットのトイレ砂などが原因のつまりは、スッポンでは直せません。かえって症状を悪化させる恐れがあるので、使用は控えてください。
スッポンを使ってつまりを解消する方法は次の通りです。作業の前に止水栓を閉め、水はね防止の養生をしておくとよいでしょう。
- 便器内の水量を調節する
- 排水口にカップを密着させ、空気が入らないようゆっくり押し込む
- カップがへこむまで押し込んだら、勢いよく引っ張る
- 2・3の作業を繰り返す
- つまりが解消されたら水を流して正常に流れることを確認する
つまりが解消すると、引く際の抵抗が弱まったり、ゴボゴボと音がして水が流れたりします。
つまりが解消されないままレバーで水を流してしまうと、便器から水が溢れてしまう恐れがあるため、レバーで水を流すのではなく、バケツなどを使い少しずつ水を流すとよいでしょう。
スッポンで解消できない場合は、スッポンよりさらに強力な真空式パイプクリーナーを使うのもおすすめです。
スッポンも真空式パイプクリーナーもホームセンターで購入することができます。もしお近くのホームセンターに置いていない場合は、Amazonや楽天市場で購入するとよいでしょう。
<真空パイプクリーナーの商品例>
スッポンを使う際のコツや注意点は、以下の記事で詳しく紹介しています。スッポンを使ってつまりを解消しようと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ワイヤーブラシ(ワイヤー式パイプクリーナー)でつまりを解消する
トイレつまりをワイヤーブラシという道具を使って解消する方法もあります。こちらも、水に流せるものが原因のつまりにのみ有効な方法です。
先端は細長い金属製のブラシがついており、曲がりやすい構造になっているため、排水管のつまりの原因に直接アプローチすることが可能です。
ワイヤーブラシを排水口へ挿入しますが、あまり強くいれると便器に傷がついてしまうため注意してください。また、ワイヤーブラシを入れる際、排水路はやや上向きになっているため、ワイヤーを下向きにすることがコツです。
ワイヤーブラシが排水口に当たった時点で、ワイヤーブラシを回したり上下に動かすことにより、つまったものを削り取ります。
手の感触で完全に削れたと思ったら、水を流してください。通常通り水が流れ、便器内の水位が正常に戻れば、つまりが解消したと考えてよいでしょう。
ワイヤーブラシに関しては、以下の記事で解説していますので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
洗剤を流してつまりを解消する
洗剤を使ってつまりものを溶かす方法もあります。洗剤は便をつまらせたとき、特に効果的です。
洗剤と50度程度のお湯を加えることで、便が分解されやすくなり、つまりの解消に繋がります。
洗剤にもさまざま種類がありますが、自宅にある食器用や洗濯用の中性洗剤でできます。
- トイレの水をできる限り汲み出す
- 食器用洗剤を100ml入れる
- その上から50度程度のお湯を約1リットル注ぐ
- 30分ほど放置する
- トイレの水を流してつまりが解消されたか確認する
洗剤を使う場合は、まず最初にトイレの水をほとんど汲み出す必要があります。これは洗剤が薄まってしまわないようにするためです。
上記の手順でつまっていたものが溶けたり、ふやかすことができれば、トイレの水で流すことができるでしょう。
もしこの状態で水位が回復しない場合は、部品の故障や水に溶けないものがつまっている可能性があるため、業者に連絡をすることをおすすめします。
熱湯を使うと、便器に使われている陶器に負担がかかりひび割れの原因になる可能性があるので注意しましょう。
対処法3:タンク内の不具合を解消する
ここまで紹介したどれにも当てはまらない場合は、タンク内の不具合が疑われます。
トイレタンクの蓋を空けて、タンク内の状況を確認しましょう。タンクの蓋を空ける前に止水栓が閉まっていることを確認してください。
蓋は持ち上げるだけで外れるタイプと、持ち上げるだけでは外れないタイプに分かれます。
持ち上げるだけでは外れないタイプは、手洗い金具(手洗い管)とタンク内のジャバラ管がナットで繋がれており、先にナットを外す必要があります。ナットは反時計回りに回すことで簡単に外せます。
サイフォン式便器で、補給水管がオーバーフロー管から外れている場合は、補給水管をオーバーフロー管の中に差し込むだけで完了です。
蓋を元に戻し、止水栓を開け、水を流して正常な水位に戻るか確認しましょう。
トイレタンクの蓋は、陶器製で重量があります。落とすとひびが入ったり割れてしまうこともあるため、慎重に取り扱いましょう。
作業の際は2人体制で、持ち上げる人と作業する人に分かれるとスムーズにできます。
原因が分からない・明らかな故障箇所がある場合は業者へ相談
ここまで説明した方法で改善しない場合、明らかな故障がある場合、自己解決が難しいと感じた場合は、迷わず業者に相談することをおすすめします。
素人が無闇にいじったり引き際を間違えたりすると、かえって症状を悪化させる恐れがあるので注意してください。
またトイレの水位が低くなる現象にはさまざま原因があり、それぞれの原因に対して対処方法があります。
原因がわからなければ対処することができず、対処方法を間違うとさらなるトラブルを引き起こしかねません。
業者に依頼すれば、不具合を修理するだけでなく、今後同じトラブルを起こさないための予防策を教えてくれたり、他の不具合の早期発見に繋がるでしょう。
トイレの水位が低くなってしまうのを防ぐには?
事前にこれらの項目について押さえ意識していくことで、トイレの水位が低くなるトラブルを防ぐことができるでしょう。
- 長期間の不在時は蓋を閉じておく
- トイレをつまらせない使用を心がける
- トイレを適切な頻度で掃除する
- おかしいと思ったら放置せず対処する
長期間の不在時は蓋を閉じておく
長期間トイレを使用しないでいると、封水が蒸発して水位が低くなってしまいます。
長期間トイレを使わないことが分かっているときは、洋式トイレなら便器の蓋を閉じておきましょう。それだけでも、蓋をしていない時と比べると水の蒸発をいくらか防ぐことが可能です。
また、予めコップ1杯の水を便器内に追加しておくことも効果的です。
トイレをつまらせない使用を心がける
一度つまってしまうと対処が大変なトイレのつまりですが、トイレをつまらせる原因を知りつまらせない使用を心がけることが重要です。
基本的なことですが、水に流せるもの以外は流さない、大量のトイレットペーパーや排泄物を流すときは小分けにして流すようにしましょう。
トイレを適切な頻度で掃除する
トイレの水位が下がってしまう原因の一つが、トイレのつまりでした。
トイレのつまりの主な原因は、大量のトイレットペーパーや排泄物、異物などであるとお伝えしましたが、他にも尿に含まれるカルシウムが尿石になって排水管に蓄積することで、つまりの原因になることがあります。
この状態までくると悪臭にもつながる恐れがあるので、つまりの原因となる尿石が溜まらないよう、定期的にトイレを掃除することも大切です。
おかしいと思ったら放置せず対処する
トイレの水位が下がる、下水のような異臭がする、水が上手く流れないなど「いつもと違う」と感じることがあれば、放置せずに早めに対処することが大切です。
トイレの水位が下がったり、水が上手く流れないのはトイレになんらかの問題があるということです。
またこれらの問題は自然に直ることはありません。このまま放置をしていると、さらにトラブルを招いてしまう可能性があります。
何かしらの異常を感じるものの自分では原因が分からない場合は、なるべく早めに業者に依頼し点検してもらいましょう。
また便器本体にひび割れ等破損がある場合は、水漏れ被害が拡大しないうちに早めの業者依頼が必要です。
トイレの水位が低くなっているのを放置するとどうなる?
封水の水位が多少下がっても目視で判断するのは難しく、また水位が下がったままでも通常通りにトイレを使えることがほとんどです。
そのためそのまま使い続ける人が多いのですが、水位が低いまま放置して使い続けていると、水位がさらに低くなる可能性があります。
水位が下がることで、下水管と直接つながってしまい、悪臭や害虫の侵入にも繋がりかねません。
トイレの水位が下がったり、水が上手く流れなかったりする場合、高確率でトイレがつまっている可能性が考えられます。その状態で放置すると、完全にトイレがつまり、使えなくなるおそれもあります。
さらに、マンションなどの集合住宅に住んでいる場合に注意したいのが、つまりを放置して水漏れに発展してしまうこと。
階下をはじめ周辺の住民に迷惑をかけることになってしまうので、十分に注意しましょう。
トイレの水位が下がっているのは、トイレが通常でないことのサインです。放置しても自然に直ることはありません。
普段からメンテナンスを行い、水位が下がるといった異常サインを見つけた場合には、しっかりと対処していきましょう。
まとめ
トイレの水位が下がるということは、トイレのつまりやなんらかの理由により正常の状態ではなくなっている証拠です。もし見た目では水位がわからない場合でも、悪臭が発生している場合は通常でないことのサインです。
トイレの水位が下がってしまう原因は、以下の点が挙げられます。
- 長期間の未使用により水が蒸発した
- 便器内に紙や異物がつまっている
- タンク内の部品の不具合・便器の破損など
水位が低い、異臭がするなど「いつもと違う」と感じることがあれば、この記事で紹介した対処方法を試してみてください。
水位が下がったままの状態で放置してしまうと、下水からの悪臭が上がってくるだけでなく、トイレが完全に使えなくなる可能性があります。
本記事で紹介した対処方法を試しても症状が改善しない場合や、自分で解決することが難しいと感じる場合は、すぐに業者に相談することをおすすめします。
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