ティッシュとトイレットペーパーの違い
ティッシュペーパーとトイレットペーパーは一見同じ紙製品ですが、水に対する性質が大きく異なります。
| 項目 | トイレットペーパー | ティッシュペーパー |
|---|---|---|
| 主な用途 | トイレに流すことを前提に製造 | 鼻をかむ・ちょっとした拭き取りなど |
| 水への溶けやすさ | 水に浸すと短時間で繊維がふやけて崩れる | 水に濡れても繊維が崩れにくい |
| 原料繊維の長さ | 短い繊維のパルプ | 長い繊維のパルプ |
| 接着剤 | 水に溶けやすいでんぷん糊 | (強度優先で水溶性接着剤は用いない) |
| 添加剤 | 基本的になし(溶解性重視) | 湿潤紙力増強剤を配合 |
| 強度 | 水で崩れやすく強度は低め | 破れにくく強度が高い |
| 排水管での挙動 | 短時間で分解し流れやすい | 溶けにくく詰まりの原因になりやすい |
トイレットペーパーは水に流すことを前提に作られており、水に浸すと短時間で繊維がふやけてボロボロに崩れるようになっています。
原料には短い繊維のパルプが使われ、接着剤にも水に溶けやすいでんぷん糊などを用いているため、排水管の中でも短時間で分解されて流れていきます。
一方、ティッシュペーパーは鼻をかむ時などに破れないよう強度が重視されており、水に濡れても簡単には崩れません。
長い繊維から作られ、さらに「湿潤紙力増強剤」と呼ばれる薬剤が含まれていて、水分を含んでも繊維同士が離れにくい性質を持っています。
このためティッシュは水に溶けにくく、見た目は似ていてもトイレットペーパーとは性質がまったく異なるのです。
ティッシュをトイレに流すと起こるトラブル
結論、ティッシュペーパーをトイレに流すと、トイレ詰まりを引き起こす可能性が高いです。
ティッシュでトイレが詰まる主な原因には以下があります。
- 水に溶けにくいため、排水管内で留まりやすい
- 丸めたり重ねたりしたティッシュは水を吸って固まり、詰まりやすい
- 少量でも蓄積すると徐々に排水経路を塞ぎ、詰まりを起こす
ティッシュは水に溶けず排水管の中に留まりやすいため、トイレットペーパーなら流れる程度の枚数でも詰まってしまうことがあります。
特に何枚ものティッシュを一度に大量に流した場合、水分を吸ったティッシュ同士が絡み合って大きな塊になり、便器内部の排水路や先の排水管をふさいでしまいます。
その結果、水が流れにくくなり、汚水が逆流して便器からあふれてしまう危険があります。
また、マンションなど集合住宅の場合、自宅のトイレからあふれた汚水が階下の部屋にまで漏れてしまう二次被害につながるケースもあります。
たかがティッシュと侮っていると、思わぬ水漏れ被害や修理費用を招く恐れがあるのです。
それ以外にも、ティッシュを流した直後は問題なくても、排水管の途中に引っかかって少しずつ蓄積し、ある日突然完全につまることもあります。
そうなるとトイレ詰まりの原因がすぐに思い当たらず原因特定に時間がかかる場合もあります。
いずれにせよ、ティッシュペーパーはトイレに流さないことが賢明です。
ティッシュをトイレに流してしまった場合の対処法
ティッシュをトイレに流してしまった場合、代表的な対処法としては以下のようなものがあります。
- ラバーカップを使う
- お湯を使う
水に溶けないティッシュとはいえ、プラスチックなどの硬い異物と比べれば柔らかく、適切な方法で対処すれば流せる場合もあるため、落ち着いて対処すれば自分で解決できる可能性があります。
ただし、水位が上がって今にもあふれそうな場合は、絶対にそのままレバーを回して追加の水を流してはいけません。
少しでも排水できている様子なら、半日ほど放置して様子を見るとティッシュが水を含んで柔らかくなり、自然に流れて改善するケースもあります。
ただし改善しない場合はそれ以上放置せず、次の対処法を試してみましょう。
ラバーカップを使う
詰まったトイレの定番の対処法はラバーカップ(いわゆるスッポン)の使用です。
ホームセンターやドラッグストアで購入でき、ほとんどのご家庭に常備されているかと思います。
柔らかいティッシュが原因の詰まりであれば、ラバーカップで解消できる可能性が高いです。
ラバーカップの使い方は以下の手順で行います。
- 便器の排水口を覆うゴム部分に十分な水位を確保する(ゴムが浸る程度)
- ラバーカップを排水口に密着させる
- ゆっくりと押し込み、勢いよく引く動作を繰り返す
- 何度か繰り返して詰まりが解消したら、水を流して正常に流れるか確認する
ポイントは、ラバーカップを押し込む時はゆっくり、引く時に勢いよく引くことです。
押し込む際に力任せに動かすと、詰まっている紙をかえって奥に押し込んでしまう恐れがあります。
あくまで真空状態を作って引き抜くイメージで動かすと効果的です。

また、最近は便器の形状に合わせて和式用・洋式用・節水型洋式用などサイズの異なるラバーカップが市販されています。
ご家庭のトイレに合ったサイズのものを用意すると、より確実に詰まりを解消しやすくなります。
ただし、ラバーカップで対処しても解消しない場合は、無理をせず業者に依頼しましょう。無理に続けると状況が悪化する恐れがあります。
ちなみにラバーカップに関してはこちらで詳しくご紹介していますので参考にしてください。

お湯を使う
ラバーカップが手元に無い場合や、詰まりが軽い場合にはお湯を使った方法も有効です。
ティッシュは水ではなかなか溶けませんが、40~60℃程度のぬるま湯であれば水より繊維がほぐれやすく、紙が柔らかくなって流れやすくなります。
やり方は簡単で、バケツなどに用意したお湯を便器の中にゆっくりと注ぎ入れるだけです。
高い位置から注ぐと水圧も加わり、つまりの原因を押し流す効果も期待できます。
お湯を注いだ後は、そのまま10~15分程度放置して紙がふやけるのを待ちます。
時間をおいて水位が下がればつまりが解消しつつある証拠です。
最後にバケツ一杯分程度の水を一気に流し込み、スムーズに流れるか確認しましょう。
まだ水はけが悪い場合は、再度お湯を注いでみるか、ラバーカップの方法に切り替えてください。
ちなみにお湯を使ったトイレ詰まり解消法は以下の記事で詳しくご紹介していますのでこちらも参考にしてください。

ティッシュをトイレに流した場合のトラブル解決費用
自力で対処を試みてもつまりが解消しない場合や、水があふれて手に負えない場合は、早めに水道修理のプロに連絡して対処を依頼しましょう。
業者に頼むとなると費用が心配かもしれませんが、トイレ詰まりの修理費用はつまりの原因や作業内容によって変動します。
ティッシュが原因の比較的軽度なつまりであれば、高価な機材を使わずに済むケースも多く、作業費用の相場はおおむね5千円~2万円程度に収まることが一般的です。
実際、ある調査ではトイレ詰まり修理の費用は8,800円~66,000円と幅があるものの、多くの場合約16,500円に収まるとの報告もあります。
ただしこれはトイレットペーパーやティッシュなど紙類が原因の軽度なつまりの場合の目安です。
例えばティッシュ以外の異物(おもちゃやスマホなど)を落として詰まらせてしまったケースや、排水管の奥深くで固形物が詰まっているケースでは、高圧洗浄機による洗浄作業や便器の脱着といった大掛かりな処置が必要になり、費用も数万円以上と高額になることがあります。
幸いティッシュが原因のつまりであればそこまで深刻化するケースは少ないため、まずは業者に相談してみると良いでしょう。
修理費用を抑えるポイントとして、複数の業者から見積もりを取って比較することも大切です。
水道業者によって料金体系が異なるため、相見積もりを依頼することで適正価格を見極めやすくなります。
深夜や早朝の割増料金の有無なども確認し、納得できる業者に依頼しましょう。
ティッシュをトイレに流さないための予防策
最後に、今後ティッシュでトイレを詰まらせないための予防策について押さえておきましょう。
- トイレットペーパー以外を流さない
- ゴミ箱の設置
- 流せるティッシュや流せるおしりふき等に注意する
一度つまりを経験すると懲りるものですが、時間が経つとつい油断してしまいがちです。
日頃から次のポイントに注意しておけば、トイレの詰まりを未然に防ぐことができます。
トイレットペーパー以外を流さない
トイレに流せる紙は原則トイレットペーパーだけです。
ティッシュペーパーをはじめ、キッチンペーパーやおしぼり、紙おむつ、生理用品など、水に溶けにくいものは絶対に流さないようにしましょう。

トイレットペーパーでも、一度に大量に流せば詰まることがあります。
節水型トイレは従来より流れる水量が少ないため、詰まりやすい傾向があります。
少しずつ流す、途中で何度かに分けて流すといった工夫も有効です。
ゴミ箱の設置
トイレ内にゴミ箱を設置しておくことも大切です。
トイレットペーパー以外流さないとわかっていても、例えば花粉症の時期に鼻をかんだティッシュを捨てる場所が無いと、ついトイレに流したくなるかもしれません。
また、小さなお子さんや高齢の方がいるご家庭では、「紙だから流せるだろう」と深く考えずにティッシュや雑紙を流してしまうケースもあります。
すぐ手の届く場所に蓋付きの小さなゴミ箱を置いておけば、使ったティッシュを迷わずそちらに捨ててもらえるので安心です。
ゴミ箱にビニール袋をかぶせておけば、汚れたティッシュの処理も簡単に行えます。
流せるティッシュや流せるおしりふき等に注意する
最近は「流せる◯◯」と称して、水に流せる素材でできたティッシュペーパーやおしりふき、お掃除シートなどが市販されており、一見便利ですが、油断は禁物です。
こうした商品は普通のティッシュより水に溶けやすい加工がされていますが、それでもトイレットペーパーほどスムーズに溶けるわけではありません。
特に節水型のトイレや古い配管を使用している場合、流せるおしりふきでも蓄積して詰まりの原因となることがあります。
流せるタイプの製品を使用する場合でも、一度に大量に流さない、こまめに水を流す、といった注意が必要です。
「流せるから大丈夫」と過信せず、基本的にはゴミ箱に捨てる習慣をつけたほうが安心でしょう。
まとめ
ティッシュペーパーとトイレットペーパーの決定的な違いは、水に溶けるかどうかにあります。
ティッシュは水に溶けないため、トイレに流してしまうと高い確率でつまりの原因となってしまいます。
運良く一度で流れたとしても、排水管に溜まって後から詰まるリスクもあるため、基本的にティッシュはトイレに流さないことが鉄則です。
万が一トイレにティッシュを流して詰まってしまった場合は、まず慌てずに今回ご紹介した応急処置の方法を試してみましょう。
また、無理に作業して状況を悪化させると余計に時間も費用もかかってしまいますので、難しければ早めに水道修理のプロに依頼して安全に解決してもらうことも大切です。
正しい知識と備えで、水まわりトラブルの不安を取り除き、安心してトイレを使えるようにしておきましょう。
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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